爪水虫
足の水虫はつらい。
大切な人にうつすのは、もっとつらい。
ネイルのお手入れと健康コラムCOLUMN
ネイルケアでのダメージは爪水虫の症状と類似
甘皮(爪上皮)には、できたての爪を保護する役割があります。爪が美しく見えるように甘皮をケアしますが、甘皮を取りすぎてしまったり、強めにプッシュしたりといった過剰なケアが原因で、生えてきた爪がデコボコになる危険があります。また甘皮には、爪と皮膚の境目に細菌などが入らないようにする働きがありますので、過剰なお手入れは、炎症や膿の原因となる場合がありますので気を付けましょう。
マニュキアやジェルネイルを除去するリムーバーに含まれている"アセトン"という成分は、爪の油分を奪い、乾燥を招きます。ジェルネイルを剥がす際のファイリング(爪の形をやすりで整えること)は、爪のトラブルの一因となっています。このようなことから、長期間継続してネイルアートを行うと、爪の再生が追い付かなくなり、爪が劣化し、二枚爪や爪甲剥離を招いたり、爪が変形したりといった症状をあらわすことがあります。
しかしながら、二枚爪や爪がぼろぼろに崩れるというような爪の色々な症状が見られた場合には、爪以外の病気が原因となっていることがありますので、自己判断は禁物です。たとえば、鉄欠乏性貧血や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)など病気が原因となり、二枚爪の症状が現れる場合があります。また爪が水虫にかかった場合(爪白癬)は、素人目で症状を判断することは難しく、皮膚科での検査が必要です。特に爪白癬は、市販の塗り薬(水虫治療薬)では完全に治すことができませんので、必ず皮膚科専門医を受診しましょう。爪白癬の治療には、爪の状態によって、飲み薬か塗り薬が処方されます。
おしゃれを楽しみたいからこそ、爪の健康は何よりも大切です。受診と治療が早ければ早いほど、治りも早いといわれていますので、気になる症状や、爪ネットの写真診断で思い当たる写真があったら、まずはお近くの皮膚科で相談してみましょう。
【コラム】まだまだある!爪の病気と体の病気
爪の病気の中で一番多いのは爪白癬。いわゆる「爪の水虫」ですが、これは爪の中に白癬菌というカビがすみついて起こる感染症です。爪が厚くなったり、色が濁ってきたり、ボロボロになったりします。長年、足の水虫があれば、さらに爪白癬にかかっている可能性が高くなります。
このほか、尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)などの皮膚の病気が爪に現れることもあります。また、爪だけに起こる病気としては、爪が皮膚に食い込んでしまう陥入爪(かんにゅうそう)や、爪が皮膚から浮き上がる爪甲剥離(そうこうはくり)などがあります。
また、爪は健康のバロメーターとも言われ、爪や皮膚以外の病気の兆候が、爪に現れる場合があります。全身性の病気に伴う爪の変化としてよく知られているのは、バチ指とスプーン爪です。バチ指は指先と爪が丸く膨らんで太鼓のバチのようになるものですが、肺や心臓の病気の疑いがあります。一方、爪がスプーンのように丸くそっくり返るスプーン爪は、鉄欠乏性貧血や甲状腺機能亢進症の疑いがあります。また、爪がくもりガラスのように白く濁った場合には、肝硬変や慢性の腎臓病の疑いがあります。このような全身の病気に伴う爪の変化は、手足の爪すべてに同時に現れるのが特徴です。
なお、加齢とともに爪に縦の線が入ったり、爪の三日月と呼ばれる「爪半月」がなかったり、爪の栄養障害があったときに認められる爪の点状のへこみや横にできる溝は、特に爪の病気ではありません。