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水虫の原因となる水虫菌は、普段は表皮の中の角層に棲んでいます。
水虫菌は角層細胞の主成分である「ケラチン」というたんぱく質が大好きです。

※医学的には「白癬菌はくせんきん」ですが、ここでは分かりやすいように「水虫菌」と呼ぶことにします。

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水虫菌は皮膚にくっつくと、「ケラチナーゼ」というたんぱく質を分解する酵素を出して角層細胞を溶かし、大好物のケラチンを栄養源にすることで増えていきます。

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角層は「死んだ細胞」の集まりであるため、ここだけで水虫菌が増えている間は特に何の反応もなく、症状もほとんどありません。
しかし、水虫菌が増えながらどんどん角層の下まで進んでいくと、やがて顆粒層などの「生きた細胞」と接触します。

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「生きた細胞」では有害物質(水虫菌)を感知すると、これを排除するための「免疫」という反応が起きます。
「生きた細胞」から「水虫菌が来たぞ!」という情報が発信されると、好中球(白血球)やリンパ球など免疫に関係する細胞が表皮に集まり、水虫菌を排除するために様々な化学物質を放出します。 その結果、炎症が起こり、「かゆみ」「水ぶくれ」などの症状が現れるのです。

監修:帝京大学医学部 名誉教授/
帝京大学医学研究センター 特任教授 
渡辺 晋一 先生